乗馬がもっと楽しくなる5つの視点|上達するほど大切にしたい基本
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乗馬を始めた頃は、
姿勢を保つこと。
速歩についていくこと。
駈歩を出すこと。
馬を思った方向へ動かすこと。
一つできるようになるたびに、分かりやすく上達を感じられます。
ところが、乗馬を続けていくと少しずつ変わってきます。
以前なら「できた」と思っていたことにも、さらに深さがあることに気づきます。
馬が動いたかではなく、どのように動いたか。
自分が指示を出したかではなく、馬にどう伝わったか。
乗馬は、経験を重ねるほど基本に戻ってくるスポーツなのかもしれません。
今回は、乗馬をもっと深く楽しむために大切にしたい5つの視点をご紹介します。
1|「馬を動かす」から「馬と動く」へ
騎乗していると、どうしても
「前へ出したい」
「曲がりたい」
「止まりたい」
と、人の側から馬を動かすことを考えます。
もちろん馬へ適切な扶助を伝えることは必要です。
しかし、乗馬を続けていくほど大切になってくるのが、馬から返ってくる反応を感じることです。
今日は反応が軽い。
少し身体が硬く感じる。
いつもより前へ出にくい。
左右で感覚が違う。
同じ馬であっても、毎回まったく同じとは限りません。
一方的に指示するのではなく、
伝える。
反応を感じる。
必要なら変える。
この繰り返しが、馬とのコミュニケーションになっていきます。
2|姿勢は「形」ではなくバランスで考える
乗馬では、姿勢について多くのことを教わります。
視線。
肩。
肘。
手。
腰。
脚。
かかと。
もちろん、それぞれ大切です。
しかし、個々の位置を正そうとするあまり、身体全体が硬くなってしまっては本来の目的から離れてしまうことがあります。
大切なのは、
馬の動きの中で自分のバランスを保てているか。
ということ。
馬が前へ進むたびに、その身体は動いています。
騎乗者もその動きを感じながら、自分の身体を安定させなければなりません。
「正しい形に見えるか」だけではなく、
馬の動きを邪魔していないか
という視点から自分の姿勢を考えてみると、これまでとは違った感覚が見えてくることがあります。
3|小さな扶助で伝わる瞬間を探す
乗馬の上達を感じる瞬間の一つが、
以前より小さな動きで馬に伝わったとき。
ではないでしょうか。
最初は大きく脚を使っていたことが、少しの扶助で伝わる。
手綱を大きく使わなくても方向を変えられる。
自分が大きく動くことなく、馬とのリズムが合ってくる。
馬術では、ライダーの動きが大きいほど高度というわけではありません。
むしろ上手な騎乗ほど、外から見たときにライダーの動きが静かに見えることがあります。
「どうすればもっと強く伝わるか」ではなく、
「どうすればもっと少なく伝えられるか」
と考えてみる。
それも乗馬を深める一つの視点です。
4|騎乗していない時間にも馬を見る
乗馬を楽しむ時間は、鞍に乗っている時間だけではありません。
馬房での様子。
ブラッシングをしているときの反応。
馬装中の表情。
歩いているときの身体の使い方。
騎乗後の様子。
普段から馬を見る時間を増やすほど、その馬の「いつも」が少しずつ分かるようになります。
そして「いつも」が分かるからこそ、小さな違いにも気づきやすくなります。
手入れや馬装は、騎乗するための準備であると同時に、
馬を知るための時間
でもあります。
5|一鞍ごとに「一つだけ」持ち帰る
乗馬では、一度にすべてを直そうとすると難しくなります。
姿勢。
手。
脚。
視線。
リズム。
馬の反応。
次々と意識しようとして、かえって何も分からなくなることもあります。
そこでおすすめしたいのが、一回の騎乗から一つだけ持ち帰ることです。
「今日は駈歩への移行が一度だけすごくスムーズだった。」
「右手前では身体が傾きやすかった。」
「力を抜いた方が馬が前へ出てくれた。」
小さなことで構いません。
できなかったことだけではなく、
うまくいった瞬間を覚えておくこと。
そして次の騎乗で、もう一度試してみる。
その積み重ねによって、自分なりの感覚が少しずつ増えていきます。
騎乗動画を撮れる環境であれば、後から自分の感覚と実際の動きを比べてみるのも一つの方法です。
道具が変わると、感じ方が変わることもある
騎乗技術とは別に、自分が使用している乗馬用品を見直してみることも大切です。
例えば、
グローブを変えることで手綱の感覚が変わる。
キュロットによって鞍との接触感が変わる。
ブーツのフィットによって脚の使いやすさが変わる。
道具だけで騎乗が上達するわけではありません。
しかし、自分の身体や騎乗スタイルに合わない道具が、余計な違和感を生んでいる可能性はあります。
だからこそ、乗馬用品も価格やブランドだけではなく、自分に合っているかという視点で選びたいものです。
上達するほど、乗馬は細かくなる
初めは、
「馬に乗れた」
ことが嬉しかった。
それがやがて、
「駈歩ができた」
「障害を飛べた」
「経路を回れた」
へ変わります。
そしてさらに続けていくと、
馬のリズム。
自分のバランス。
小さな扶助。
一瞬の反応。
以前なら気づかなかったものが、少しずつ見えるようになってきます。
大きなことができるようになるだけが、乗馬の上達ではありません。
小さな違いを感じられるようになること。
それもまた、上達の一つなのだと思います。
馬を知るほど、乗馬は難しくなる。
そして、難しさが分かるほど面白くなる。
EPOQUE CHEVALでは、乗馬用品だけではなく、馬術をより深く楽しむための知識や文化についてもお届けしていきます。
馬との時間を、もっと深く、もっと豊かに。